大会6日目はメダル4つ！／ロンドン五輪

ロンドン・オリンピック5日目、日本人は1つの金メダルと3つの銅メダルを獲得した。
これで日本は合計17個目のメダルとなった。（金２ 銀４ 銅１１）

*メダル順位表（TheSun／英語）

西山が銅メダルを獲得／柔道男子90キロ級

　ロンドン五輪第６日（１日）柔道男子９０キロ級３位決定戦。準々決勝で敗れ、敗者復活戦から勝ち上がった西山将士は、ロシアのキリル・デニソフと旗判定にもつれ込み、３－０の優勢で勝利。初の五輪で銅メダルを獲得した。

判定に苦しんで迎えた敗者復活戦

　準々決勝の宋大男（韓国）戦で敗れた。技ありと有効を奪われたが、残り３０秒あまりで大外刈りを掛けた。相手の体が回り、１度は一本が宣告された。「自分も一本だと思った」。逆転勝ちか－。だが、副審の主張で技ありに格下げされた。有効１つ、届かなかった。

　ぼうぜんとなったが、敗者復活戦に向かう中で、井上康生コーチに言われた。「ハンパにやったら絶対後悔するぞ」。悔しい気持ちは後回しにした。切り替えて、メダル獲得だけに焦点をしぼった。「格好つけて負けるのは格好悪い。不細工な試合でもいいから勝ちたかった」。その思いが、最後の勝利につながった。

田知本、敗者復活戦でも敗れる／柔道女子70キロ級

　21歳が初めて挑んだ大舞台は、ほろ苦かった。「ハプニングで気持ちが乱れてしまった。片方の手で勝つ戦術はあったが、何も分からなくなってしまった」。痛み止めの注射を打って臨んだ敗者復活戦も、技を出せずに敗れた。「4年後の五輪？もう少し強くなってからじゃないと言えない。金メダルが保証されないと、この場に立ってはいけない」。

内村航平が金メダル！／体操男子個人

　ロンドン五輪第６日（１日）体操競技の男子個人総合決勝が行われ、世界選手権３連覇中の内村航平（コナミ）は９２・６９０点で金メダルを獲得した。今大会、日本勢では２個目の金メダル。体操男子個人総合での「金」は、１９８４年ロサンゼルス大会での具志堅幸司氏以来２８年ぶりの快挙となる。

鞍馬で落下。６位入賞の田中和仁

　個人総合で６位入賞を果たした田中和仁は、「（けがをした山室光史の代役での出場は）もう一回、自分らしい演技を見せられるチャンスだと思った。団体決勝の悔しい気持ちを切り替えて波に乗れていたが、また床とあん馬でつまずいてしまった。悔しい。（個人種目別の）平行棒では、しっかり自分の演技ができれば結果はついてくると思う」と語った。

関連記事：内村が「金」、男子個人総合２８年ぶり！

石川メダル届かず、岸川も４強ならず完敗／卓球シングルス

　ロンドン五輪第５日の１日、卓球の男子シングルス準々決勝では、男子で日本勢初の８強入りを果たした岸川聖也（スヴェンソン）が０－４でアテネ、北京両五輪銀メダリストの王皓（中国）に完敗した。

　石川は３位決定戦でフェン・ティアンウェイ（シンガポール）に敗れ、４位に終わった。石川は「悔しい。まだまだだなと思った。第１ゲームを取りたかった。ラリーでは何回打っても返ってきて先にミスをしてしまった」「団体戦でチャンスがあると思うので、そこでリベンジしたい」と前を向いた。

星奈津美が銅メダルを獲得／女子２００メートルバタフライ決勝

　３コースを泳いだ星奈津美（早大・スウィン大教）が２分５秒４８のタイムで銅メダルを獲得した。星は５０メートルを６位、１００メートルを６位でターンし、残り１００メートルの追い上げにかけた。星は１５０メートルで５位まで順位をあげ、残り２０メートル２人を交わし、３位でゴールした。

　思わず涙がこぼれた。「口にはしていなかったけど、金メダルを意識していた。本気で目指してトレーニングしてきた」。悔し涙で目が真っ赤になっていた。

　序盤から上位に位置した星は、最後の５０メートルで勝負に出たが、先に焦劉洋（中国）スパートをかけられ、金メダルまであと１秒５届かず。電光掲示板を確認した表情は暗く、天に向かって大きく一息ついた。

　五輪前、「自分にプレッシャーを与えないよう特別五輪ということを意識せず、自分の記録を超えたいと思っています」と話した。だが、レースを終えて金メダルへの思いを再認識させられた。「悔しいのが正直なところ。でもずっと思ってきた五輪のメダリストになれたというのはうれしい。最初から最後まで自分なりに泳ぐことができた」と２１歳の顔は最後に少しだけ、明るくなった。

立石諒は銅メダル、北島康介は４位／男子２００メートル平決勝

　男子２００メートル平泳ぎ決勝が行われ、立石諒（ＮＥＣグリーン）は２分０８秒２９で３位。北島を０秒０６上回って銅メダルを獲得した。

　準決勝での結果、全体７位の立石が１レーン、同５位の北島が２レーンに入った。大先輩を隣にして「ちょっとやだな」と苦笑いした立石。レース序盤はその２レーンで世界記録ペースの泳ぎを見せつけられた。

　北島の泳ぎに引っ張られるようにじわじわと上がってきた。「前半、みんなに抜かされるの分かっていた」と元から後半勝負で臨んだレース。ラスト５０メートルで狙い通りのスパートをかけ、前回大会王者をタッチの差でかわした。

　「やばいっすね！」。レース後、開口一番話した言葉。興奮隠しきれない様子だったが、「金を期待されたと思うけど、これが僕の実力。もっとがんばります」とおごりはなかった。

北島　４位も潔し！個人でメダル獲得ならず

　すがすがしい表情だった。「悔しいですけど、（立石）諒がとってくれたんで悔いはないです」。前々回、前回と金メダルを取って「名言」を残してきた男の声は、明るく、かつ潔いものだった。

　レースは北島がスタートからエンジン全開で泳いだ。最初の５０メートルをトップでターンすると、世界記録を上回るペースで進んでいった。このレースに懸ける思いを、ひとかきひとかきに表していた。

　しかし、１５０メートルのターンで２番手に後退すると、そこから失速。「きょう精一杯のレースだった」と全力を尽くしたが、結果は４位。２大会連続２冠のスーパーエースが表彰台に上がることさえできなかった。

　「３連覇よりも、この４年間は自分に対しての挑戦だった。ここまでサポートしてくれた全ての人に感謝します」。そう振り返った北島は、最後まで晴れやかだった。レース結果が電光掲示板に映し出されると、いち早く隣のレーンにいた銅メダルの立石と抱き合った。インタビュー終了後には、後輩の尻をポンと叩いて祝福。北島はゆっくりとプールサイドを後にした。

＜8月2日（木）　見どころ＞

背泳ぎの入江が世界の2強に挑戦、10代選手にも注目

　競泳の男子200m背泳ぎで、北京五輪5位の入江陵介（イトマン東進）がメダルを狙う。前回大会覇者で2011年世界選手権でも同種目を制したライアン・ロクテ（米国）という強力なライバルが立ちはだかるが、入江が本来の力を発揮できれば金メダルも視野に入ってくるだろう。また、決勝を行う男子200m個人メドレーは高校生の萩野公介（御幸ケ原SS）、女子200m平泳ぎは15歳の渡部香生子（JSS立石）の出場種目。

　体操では女子個人総合が行われる。田中理恵（日体大研究員）、鶴見虹子（日体大）の出場はなるか。そのほか、柔道男子100キロ級、フェンシングの女子フルーレ団体、自転車の男子チームスプリントなど、決勝で日本勢が躍動する姿を見たい。

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